アルパカ旅物語

旅と日常と時々未来

『価値観』

孤児院で与えてもらった事の話を少し。

孤児院では毎日食事の買い出しにマーケットに行く。

毎回女の子を通訳と案内役として1人連れて。

その中の1人、ソラ(仮名)は元気で人懐っこくて優しい子。

買い物が終わると自分の100円程の持ち金でお菓子やジュースを買って嬉しそうに食べる。 トウモロコシを綺麗に一粒残さずに食べてるのを見ては、今さっき朝ご飯食べたのに良くも食べれるな感心しながら見ていると。

そんな私の目線を気にしたのか、 2本目を半分に割って差し出してきた。

いらないと言っても

食べて!と言わんばかりに持った手を引っ込まないでいるから、その時は素直に貰った。 半分なら食べれるからいいか、と思い有り難く頂く。 日本のトウモロコシより甘くなく、大地の香り満天の味だが食べれなくもなかった。

ここの孤児院の子は私に何でも分けてくれる。 自分で買ったジュースからお菓子や、自ら採ってきたマンゴーも。私が食した分の少しばかりのお金を渡そうとしても頑として受け取らない。 さすがにご飯のおかずがない時は子供からは受け取らなかった。 一食おかずがないくらい我慢出来るし、 何より子供に多く食べて欲しかったから。 その時はソラのおばあちゃんがおかずを少し分けてくれた。

ソラは買い物中によくおもちゃを手に取って見ては、 少し口角をあげて上目遣いでこっちを何度も見てはまたおもちゃを触る。

孤児院のルールとして特定の子供だけに物や食べ物を与える事は禁止になっているし、 子供もそれは分かっているからこそ、 少し笑いながら何度もこっちを見ては何も言わずにいるんだろう。

と考えていると、何故か目線を外してしまう。

「可愛いねこれ」

と言えばいいのか...

何て言葉をかけていいのかわからなかったからか。

彼女は人の気持ちを察するのが上手く、 自分を見せるのも上手い。 負けず嫌いで頑張り屋さん。 良いところをあげる方が容易だ。

Snow大好きなソラありがとうね✨

価値観とは物やお金、国や時間に対する価値の感覚と今迄は考えていたが、 人にも当てはまる事に旅に出て恥ずかしながら初めて気付いた。 ノリア孤児院に行かなければ気付かなかったかもしれない。

全部ひとりでこなしてみたい、自分を試す意味も込めて。 そう思っていたが旅に出てからは、いや旅に出る前から色んな人に助けてもらってきた。

素敵な出逢いも、かけがえのない時間を共に過ごした仲間も出来た。

日本にいる家族や友人、大切な人や、 旅での出逢い、周りの人に対する感謝が、日に日に大きくなっていく。 旅に出る前に会いに行った鹿児島のおばあちゃんの言葉を思い出す。

『そんな世界を旅できるなんて たかしくんは幸せ者だね』

おばあちゃん、本当にその通りです。

出来るだけ多くのものを気付き、感じて吸収して帰ります。 皆さんの感想や、コメントが私の旅へのモチベーションを大きくしてくれます。

今までも、これからも皆さんありがとうございます‼️

Takashi arupaka